こんにちは、元製薬メーカー勤務のゆうです。

この記事では「なぜ糖質制限は失敗するのか」について、
という書籍から引用しながら考察していきます。
また、最近はメンタリストDaiGoさんも
「糖質制限は実は痩せない」といった動画をアップしてますね。
DaiGoさんは、ダイエットには効果ない、と言ってますが、
糖質制限は健康には十分役立ちそうです。(条件付きですが・・・)
こちらのドクターはこの図のように痩せていますし、
ダイエットにも効果的な側面も見逃せません。

この記事では、その部分について書いていきますので、
是非読んでみてください。
この記事が参考になる方
- 「糖質制限が健康に良い!」と聞いたが疑わしい方
- 糖質制限を実際やってみたが、ただツラいだけになっている方
- どうせ糖質制限をするなら、失敗しないで取り組みたい方
糖質制限が悪だと言われる理由
こんな感じで、メンタリストDaiGo氏のように「糖質制限=効果無し」と言われる事はたくさんありますが、
小西氏が、この書籍で論破している「糖質制限は悪だ」と言われる具体的な批判については、以下の通りです。
具体的にどう反論してるかは、化学反応の具体的な機序も出てくるので、
ここでは割愛して、書籍でじっくり吟味していただければと思います。
ここでは端的にハイライトを書いておきます。
(※「→」マークは、小西先生の反論)
- 糖質制限(肉食)で短命(老ける!寿命が縮まる!)→引用が東北大学の「マウス」を使った実験。マウスは草食。
→1番老化が進むのは、ファスティング 、低タンパクでお菓子や果物を多く食べた人 - 肝機能、腎機能が悪い人はさらに糖質制限(肉食)で悪化する→低タンパク質、低ビタミン(ミネラル)の方が、悪化を招く
- 糖質制限(肉食)で死亡例がある→小西氏は、1000人以上の患者を観てきて、1例も死亡例を観てない
- 糖質制限(肉食)で動脈硬化を促進→炎症の最大の原因は「糖化」です。白米でも玄米でも糖化は起きます。
- 糖質制限(肉食)で腸内環境が悪化する→肉食でも腸内環境を整えるのは難しくない。ビタミンC、マグネシウム、イヌリンなど、肉食でなくても摂られると良いです。
- 糖質制限とガン→ガン細胞のメインエンジンは、糖質です。
- 脳細胞は、ブドウ糖しか使えない。人間は糖に依存してるんだ→誤解されてますが、ブドウ糖しか使えないわけでなく、脂肪酸分解物のケトン体をいくらでも使える。→ブドウ糖のみしか使えない細胞は、ガン細胞と赤血球だけですが、赤血球分のブドウ糖は、肝臓で作られる糖新生で充分ですので、食べ物から糖を摂る必要はありません。(江部 康二 医師)
- 日本人の病気は肉食のせい→日本人が肉をたくさん食べるようになって、平均寿命が延び、身長は高くなり、健康状態がよくなり、現在に至る(長尾 周格ドクター)
- 糖質制限で筋肉が落ちる→ダイエットというのは糖質制限をしないとはっきり言って成功しない。脂質とタンパク質をしっかり摂取してれば、糖質制限で筋肉が落ちる事はありません。ただ、大会で優勝を目指すレベルでしたら、糖質も必要になります。(ボディービルダー談)
- 糖質制限で骨が弱くなる→糖化作用を抑えるために糖質は少なめ、骨のコラーゲン架橋を丈夫にする高タンパク食、ビタミンB、C、D、マグネシウム。これでカルシウムが活かせます。
- 糖質制限すると、低血糖で脳が働かない→低血糖の原因は糖質です。麻薬の禁断症状に似ています。糖質をしばらく断つと、低血糖は起きなくなります。
- 低GI食品が良い→食後血糖値上昇率が低い食品が良い、という内容ですが、糖質制限の方が数十倍、効果的です。
- 耐糖能が落ちるのでは?→お酒と同じで、3日も糖質を取れば戻ります。変化は不可逆的ではありません。
- 私は糖質を摂りながらも、健康ですが何か?→確かに個人差があります。
→今、糖質を摂ってて90歳になってるもいます
→しかし彼らの幼少期は、無ステロイド、無抗生物質、無ワクチン、糖
質不足の環境でした→2人に1人が死ぬガンの原因のかなりの部分が「糖質」なぜならガン細胞のエサだから→今の子供は砂糖漬け
→故に、現代の子供(私たち)が90代でも元気でいられる確率は低い
- 個人差がある→確かに個人差があるので、糖質制限の移行は「ATP合成能力」を考慮する必要があります。個人差を徹底的に追求すると、メガビタミン、こうタンパク質を第一とした分子栄養学に行き着きます
などなど、たくさん。。。
糖質制限批判をする3つのパターン
そもそも、製薬会社にいた身からすると、
「お医者さんに自分の薬を使え」という営業をかけるわけなので、
「自分で健康を管理」出来てしまうと、その業者の経営や、その従業員さんや家族の生活が困ってしまうわけですね。
- 糖質食品関連の関係者
- 製薬会社
- 農家、農業関連団体
- 過去に糖質制限を半年〜2年ほど実践して失敗、恨みがある
- 糖質制限指導者に恨みがある
- 日本に根深くある「米」への信頼
- オーガニックへの信頼
- 肉を悪とする傾向
食事について論じるときは、決して感情的になってはいけません。
怒りや憎しみや好き嫌いを入れてはいけません。
常に「臨床においてどのくらい効果的か」で判断します。
今、逆に糖質を奨励する食生活やオーガニックを奨励する食生活でも、
良い臨床効果(つまりまとまったデータ)は出ていません。
イキナリ糖質制限をしたら失敗する体質とは!?
糖質制限は、普段食べている糖質を減らすので、
苦行を強いられますよね。
本日参考にした書籍では、以下の人にはイキナリ糖質制限をしても
失敗する人がいるようです。
糖質制限で失敗する人は、こんな人だ
小西氏の書籍によると、糖質制限を1年以上継続したケースで、
80%くらいの人は体調が改善したそうです。
しかし、20%くらいの人は、うまくいかない、
かえって体調不良になったようです。
その原因は、タンパク質不足、糖質過多、筋肉が少ない、薬害(ステロイドや抗生物質を長年飲んできた)といった理由が挙げられます。
糖質制限がうまくいかない要因
- タンパク質
- 糖質過多
- 筋肉が少ない
- 薬害
失敗を防ぐには代謝の状態を高めてから糖質制限
というわけで、糖質制限の失敗を防ぐために
小西氏は「代謝状態」を改善して
身体を慣らしていきましょう、と書いてあります。
(※EAAとは、必須アミノ酸の略ですが、プロテインなどで代用OK。その場合は「プロテイン1g=EAA2g」で換算してください)
代謝を鍛える初心者用ステップ(代謝小学校)
- 代謝小学1年:肉10g、EAA2g×3回、糖質制限ナシ、今までの食事
- 代謝小学2年:卵1個、肉30g、EAA2g×3回、海藻摂取、糖質制限ナシ、今までの食事
- 代謝小学3年:卵2個、肉50g、EAA3g×3回、海藻摂取、糖質制限ナシ、今までの食事
- 代謝小学4年:ビタミンC1g、卵2個、肉70g、EAA5g×5回、海藻摂取、糖質制限ナシ、今までの食事
- 代謝小学5年:果糖制限(果物、砂糖の半分は果糖)を今までの1/2に、ビタミンC2g、ビタミンBコンプレックス1錠、卵2個、肉100g、EAA7g×5回、海藻摂取、糖質制限ナシ、今までの食事
- 代謝小学6年:果糖制限を今までの1/3に、ビタミンC3g、ビタミンBコンプレックス2錠、卵2個、肉150g、EAA7〜10g×5〜7回、海藻摂取、糖質制限ナシ、今までの食事
このような形で、
代謝を鍛えて、高タンパク質に慣らしていきます。
ちなみに海藻があるのは、ヨウ素(ヨード)不足から低T3症候群になるのを防ぐため、とのことですが、医師から「海藻は控えるように」と言われたら、控えてくださいね。
失敗しない糖質制限のステップ
無事、代謝小学校で、代謝を鍛えたら、
次にようやく糖質制限を始めていきます。
- 中学1年:お米・小麦を今までの1/2+小学6年の内容
- 中学2年:お米・小麦を今までの1/3+小学6年の内容
- 中学3年:自分で量を加減、健康自主管理、ATPセット少量から始める
各学年、どれくらいやれば良いのか?
こちらは、1ヶ月〜2ヶ月くらい取り組んで、慣らします。
上手くいかなければ、前の学年に戻します。
上手くいかない場合というのは「気持ち悪くなる」とか、
「身体の調子を逆に崩す」という状況ですね。
今まで糖質だらけの生活を送っていたなら、
1学年に3〜4ヶ月かけても良いそうです。
遅い人で、小学1年〜中学まで2年くらい。
焦らずに段階を踏んで糖質制限中学に入学してください。
飛び級しても良いの?
自信がある方は、イキナリ中学からでも大丈夫です。
代謝を整える事が、糖質制限の本質である
代謝とは?
代謝というのは、生きていくのに必要なエネルギーの獲得や、
成長に必要な有機材料を合成するために、
生体内で起こる全ての生化学反応の総称です。
そういう事です。代謝がうまくいかないと、
- 元気が出ない
- お肌の調子が悪い
- セロトニンが少なくて、うつ病に近づく
など、色々と不具合が出てしまうのです。
そもそも糖質制限をする必要はあるの?
そう思う方もいると思います。
小西氏の書籍ではこう説明しています。
タバコを吸って100歳まで生きる人もいます。
でも多くの人はタバコを吸うことで寿命を縮めるでしょう。
その場合、タバコのデメリットを十分知ってタバコを吸ってきたのですから、それで宜しいです。お酒のデメリットを十分知ってお酒を飲むのは個人の自由です。
糖質のデメリットを十分知って糖質を摂るのは個人の自由です。ですが、多くの人は糖質のデメリットを知らない、あるいは甘くみすぎています。
タバコのデメリットを知って、多くの人はタバコを止めました。
糖質のデメリットを知れば、やはり止める人は増えるでしょう。
糖質制限と高タンパク質生活で相乗効果を
糖質のデメリットは諸説あるようですが、
「糖化ストレス」と言われてるようです。
糖化ストレスは、老化や慢性病の2大原因です。
この糖化ストレスを改善するためには、糖質制限が1番ですが、
糖質制限が徹底できない場合は、高タンパクに気をつければ、
ある程度の糖化ストレスを抑える事ができます。
なので、糖質制限よりもまず高タンパク質が重要。
糖質を減らすストレスを無くすために・・
大豆米で楽しい糖質制限
糖質制限の中で、1番多いリクエストは、
「お米を食べたい」というものです。
「毎日、肉、卵、チーズだと飽きる」
「EAAもプロテインも飽きるし、サプリも不味い!!」
まあ、そう思うのも無理がありませんよ(笑)
お米は、大豆米にしてみるのはどう?

白米の代わりに、玄米を推奨する方もいますが、
玄米を食べるなら、大豆米をオススメします。
白米 | 玄米 | 大豆米 | |
カロリー | 168kcal | 165kcal | 186kcal |
タンパク質 | 2.5g | 2.8g | 21g |
糖質 | 37.1g | 35.6g | 13g |
食物繊維 | 0.3g | 1.4g | 8g |
こんな感じで、大豆米は白米・玄米の8倍のタンパク質を含み、
糖質は1/3弱です。
また、大豆米の6倍近くの食物繊維を含んでいます。

https://www.otaru-dining.co.jp/
現状、大豆米は「おたるダイニングさん」の提唱する新たな主食らしいので、
Amazonや他のネットショップでは手に入りません。
ですが、チャーハンやチキンライスにすると、普通のお米と区別がつきにくいそうなので、我が家も早速ポチッとしてみたいと思います。
糖質制限されたパスタやパンもネットで手に入る
パンを食べたい、パスタを食べたい、という願望も、
おたるダイニングで手に入るみたいなので、探してみてください。
https://www.otaru-dining.co.jp/
甘いもの・スイーツを止められない
甘いものを求める人は、タンパク質不足だそうです。
EAAやプロテインを多く取ると、その欲求そのものが消えていきます。
専門用語で言うと、
「甘いもの好き=ATP合成能力低下」だそうです。
満腹中枢と食の楽しさ、糖質制限を全て叶えるレシピを作れ
結局、真の満足は「自分の力で出来た」という達成感で
得られる確率が高いです。
なので、満腹中枢(カサ増し)、食の楽しさ(家族と試行錯誤して楽しむ)、糖質制限(結果的に栄養抜群)を全て満たすレシピが作れるようになるはずです。
あれこれ短絡的な健康方法に飛びつかず、まずこの記事の内容も吟味して、
あなたの健康法を改善する助けになれば幸いです。
ストレスなく快適に続けるには?(まとめ)
ここからは持論ですが、
このような健康法って続かないじゃないですか。
快適に糖質制限するにはどうしたら良いのかというと、
「目の前の家族の健康に責任を持ってみよう」
「自分が家族を守るために実践と検証し続けよう」と
思う事です。
そうすれば、いつまでも炎は燃えたまま続くと思います。
あれこれ小手先の方法がたくさん世の中に溢れてますが、
自分から情報をお金を出して取りに行き、
中立に精査して、人体実験して、身の回りにも試してみる。
それが、豊かな健康に続く道なのではないでしょうか。
合わせて読みたい



参考書籍

炭水化物が人類を滅ぼす【最終解答編】 植物vs.ヒトの全人類史
