こんにちは、元製薬メーカー勤務のゆうです。
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今回の記事では「オーソモレキュラー医学入門」について
紹介したいと思います。
こちらの記事でも実践編をコツコツ更新しているので、
是非参考までにご覧ください。

今回は、上記の記事を補完して
2019年10月25日に発売されたばかりの
「オーソモレキュラー医学入門」から
オーソモレキュラーを試そうとする背中を
押せる記事になればと思います。
この記事が役立つ人
- なぜオーソモレキュラー医学が身体の不調に有効なのかを知りたい
- 病院の薬物治療に疑問がある
- あらゆるメソッドを試してきたが効かなかった
- 身の回りの健康に責任を取り、守りたい
オーソモレキュラー医学とは?
「オーソモレキュラー医学」と名付けたのがノーベル賞を2回受賞したライナス・ポーリング博士です。
ポーリング博士の考え方は、
薬はせいぜいその場しのぎにしかならず、決して根本から治すものではない。栄養素は極めて安全である。これによって身体を根本から治すものではないからだ。
オーソモレキュラー医学による栄養補助は薬による治療とは全く異なる。栄養素は極めて安全である。これによって身体を根本から治療することができる。(引用;同書p397)
1人1人、私たちの身体には個性があります。
背が小さい人、大きい人、
体重が軽い人、重い人、
既往歴がある、アレルギーがある、色々な人がいます。
その中でオーソモレキュラー医学というのは、
各人が持つ個性に合わせた「最適な量の栄養素」と
身体の正常な構成要素を主要な治療として使う方法のことです。例えば、抗うつ病や抗精神病薬が必要な時には、
それらと栄養素および栄養を組み合わせて使う。薬物は望ましくない障害にすばやくコントロールする役割として用い
オーソモレキュラー療法に反応が見られたら
薬物は減らし、コントロールしていく。(引用;同書p2)
そんな治療法を指します。
「研究者たちが長生き」なのが論より証拠
私が一番最初にこの医学に目をつけたのは、
「研究者が長生きな点」でした。
- ライナス・ポーリング(享年93歳)
- W・J・マコーミック(享年88歳)
- エイブラハム・ホッファー(現在102歳)
などなど、平均年齢が80歳超らしい。
普通だと思うかもしれませんが、
「20世紀」の栄養失調な時代でこの実績ですから、
現代生まれた私たちから見ると驚異的な数字だといえます。
正統医学(病院医学)との違い
オーソモレキュラー医学が正統医学と異なるのは、
ビタミン、ミネラル、必須脂肪酸、その他の栄養素、
という極めて重要なものを無視していない点(引用;同書p397)
と、本書では語ります。続けて、
製薬業者の薬による治療も時には有効である可能性を認めてるが、
同時に、最適量の栄養素の使用による治療を主眼としている。カロリーや栄養素が、食べ物からの供給では不十分だと生物は生きながらえることが出来ない。栄養素の必要性が高まり、一般には十分量だとされている食事では身体の要求が満たされなくなった時、生と死の中間として病気が発生する、ということかもしれない。
(引用;同書p397)
と、思想を語ってくれています。
基本方針は「減らして、増やす」
病気の方は、本書を実際に手に取ってもらいつつ、
オーソモレキュラー治療を行う病院を探してもらうとして、
まだ病気にかかっていない方にとっての議論をしていきます。
日頃の調子を最高に持っていくためには、どうすれば良いのか。
オーケストラの原則
ここでは、R・ウィリアムズ博士による基本的診療思想(コンセプト)を掲載しておきます。
オーケストラにおいて1つの楽器を別の楽器よりも重要だと考えることはできないのと同じで、人体も必要とする全ての栄養素が使える状況であらねばならない。
それらは「全員が一体」となって協調しながら働くのであって、何か一つが過剰にあっても別のものが不足しているのを代償することはできない。実際的な話で言うと、サプリメントをどんなにうまく使ったとしても、砂糖や添加物がたっぷり含まれた食品を食べ続けているようでは、その埋め合わせはできないということだ。
(引用;同書p11)
他の99%の栄養素が足りていても、どれか1つが著しく欠けていたら
別の栄養素や別の薬物では替えが効かない、という事になります。
精製した炭水化物や加工食品を減らす
最初に取り組んだ方がいいのは、
砂糖をたくさん使った食品や、加工した炭水化物(精白米、精白小麦粉、それらから作った様々な食べ物)を減らす事。
加工して精製した炭水化物を過剰消費すれば、
様々な神経症や多くの身体疾患の主な原因になるそうだ。
つまり、ジャンクフードを食べず、加工食品は、気持ち減らしていくことが大事だ。
栄養補助食品の利用
そして、次は補助食品を使っていくことが大事だという。
本書では、
ビタミンやミネラルのような補助栄養素は必須のものである。<中略>栄養不良の人々が病気と無縁でいるには、あるいは病気を治すためには、不足した栄養素のサプリが与えられねばならない。
(引用;同書p45〜46)
日本人食事摂取基準の現実は?
政府が推奨する栄養基準は、オーソモレキュラー栄養基準に照らし合わせて考えると、
「50点」くらいの基準ですね。
- ビタミンやミネラル摂取基準がすごく少ない
- タンパク質や脂質も少ない
- しかも毎日この分量でさえ、食事からは無理
現実見ると、専門の栄養士でもついてない限り、
この食事を毎日摂取するのが不可能だし、
そもそも量が足りてないんですね。
だからこそ、サプリを追加で摂取する必要があるのです。

IVSRPの栄養所要量
「ビタミンの安全性を再検討する独立委員会(IVSRP)」は、
政府推奨の栄養所要量について、
『最近の栄養研究における進歩についていってない。摂取量が不十分であり、摂取量を判断する基準自体が不十分であるため、栄養欠乏や慢性疾患の人、また栄養不足なのに体重過多の人が増加すると言う事態になっている』
(引用;同書p66〜67)
と現在の政府基準を批判する声明を出している。
IVSRPは、医師のレポートや臨床研究をたくさん引用しつつ、
ビタミンB群、C、D、E、ミネラルのセレン、亜鉛、マグネシウム、
クロムの1日摂取量について大幅に増やすよう求めているそうで、オーソモレキュラー栄養学では、IVSRPの栄養研究に習ってるように見えます。
栄養欠乏は、症状として現れている場合はもちろん、無症候性の栄養欠乏も含めて、我々の社会が直面する最も大きなヘルスケア問題の原因の1つである。
ガン、心血管系疾患、精神病、その他の疾患は、栄養摂取量が乏しいことが原因となったり、悪化の原因となる。良いニュースとしては、科学的なエビデンスによると、十分量の栄養素を摂ることは、これらの疾患を予防する一助となることが証明されていることだ。
(引用;同書p66〜67)
具体的な各栄養素の1日所要量
それぞれのビタミンについて、
厚労省の出している数字と比べていきます。
厚労省の数字は、<成人男女>の20〜60歳の範囲で示しています。
(参考:日本人の食事摂取基準(2015)から抜粋)
<ビタミン系>
ビタミンB1 : 25mg(厚労省:1.0〜1.4mg)
ビタミンB2 : 25mg(厚労省:1.0〜1.6mg)
ビタミンB3 : 300mg(厚労省:9〜16mg)
ビタミンB6 : 25mg(厚労省:1.2mg)
葉酸 : 2000μg(厚労省:240μg)
ビタミンB12 : 500μg(厚労省:2.4μg)
ビタミンC : 2000mg(厚労省:100mg)
ビタミンD3 : 600μg(厚労省:5.5μg)
ビタミンE : 150mg(厚労省:6.0〜6.5mg)
<ミネラル>
亜鉛 : 25mg(厚労省:7〜10mg)
セレン : 200μg(厚労省:25〜35μg)
クロム : 200μg(厚労省:10μg)
マグネシウム: 500μg(厚労省:記載なし)
IVSRPは、以下のように述べています。
世間の人々は、加工食品を使った”バランスの取れた食事”で必要な栄養素を全て摂取できると思っているが、これは間違っている。
ビタミンとミネラルを十分に摂取するには、加工されてない各種食物を基本とした日常食を摂ると共に、それを補う形で各種サプリメントを賢く使うことである。これを”理想”に終わらせてはならない。必ず実行に移すべき事柄である。(引用;同書p68)
食事を補うサプリを試してみよう
本書を読んでみると、サプリでの死亡事故は、ほぼゼロ。
アホみたいに飲まなければ副作用もない、と書かれています。
なので、謎の健康食品を摂取するくらいなら、元素で摂取した方が効率的ですから、本書で勧めている栄養素のサプリをゲットしてみてください。
摂取すべき栄養素(目安)
あくまで、ここでは目安として書いておきますが、
これを読んでいるあなたが、下記のビタミンを
必要な症状や予防したい症状に合わせて組み合わせて飲んでください。
慢性的に足りてないな、と言う方は、試して購入してみましょう。
- ビタミンB群(ビタミンB1、3、6、9<葉酸>、12)
- ビタミンC
- ビタミンE
- ビタミンD3
- ミネラル(亜鉛、鉄、セレン、クロム等)
- 必須脂肪酸(EFA)
それぞれのサプリがどんな効能があるかは、キリがありません。
メガ用量ビタミン治療について
ここまでは、予防的な使用法でしたが、
さらに大用量で治療していく方法もあります。
適応する障害については、
- 消化管障害
- 心血管系疾患(動脈硬化、心臓、血中脂質、高血圧etc..)
- 関節炎
- ガン
- 脳の老化
- 精神疾患及び行動障害
- 癇癪とハンチントン病
- アレルギー、感染症、中毒反応、エリテマトーデス、多発性硬化症
- 皮膚障害
などなど、多岐に渡ります。
是非、身の回りの大事な方が、この手の病気に悩まされていたら、
オーソモレキュラーのこの書籍を手に取った上で、
栄養療法も視野に入れて、該当するドクターを探してみてください。
自分と身の回りは自分で守ろう(自立の重要性)
最後となりましたが、常に私たちは
「誰かが守ってくれるだろう」と思わず、
自立することが大事です。
誰かに依存することも大事ですが、
最悪自分の力で情報を取捨選択して、世の中を生きていく。
これを読んでいる方の、主体的な選択の支えとなるよう、
今後も情報発信していきます。

最強の栄養療法「オーソモレキュラー」入門(著・溝口 徹)
